[Design Thinking] テストテストテストテスト
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Sep/21/2021

POROROCAでは、ロゴデザインをはじめとしたブランディングデザインの質を測る独自の評価軸を開発しています。6つの評価軸からブランディングデザインの質の最大化を図ることで、企業のブランドイメージの質を上げ、全体としてのブランド価値を高めることを実現します。
1.
ブランディング
デザインの概要
ブランディングとは何か?
かつて「ブランド」とは、何かと何かを分けるもの。選別させるものとしての焼印やマークの機能しかありませんでした。これは私のもの。これはあなたのもの。その選別をさせるためのマークでした。
現代の「ブランド」は意味も機能も異なります。もともとの選別的な役割から、人のポジティブな感情を想起させるものになりました。
「ブランド」の意味はあいまいで、誤解されます。その主な理由としては、ブランドとはみなさんがつくれるものではなく、みなさんに対して抱かれる他者が抱く価値のことだからです。つまり、この価値とはみなさんが何かに対して抱く主観的印象です。印象と客観的事実には異なります。印象とは流動的であいまいであり、その時の気分や他者の評価で簡単に変わり得るものと捉えてください。ブランドとしてみられるものの客観的事実と、ブランドに対していただかれる印象から想起される価値は関係がありません。
ブランド = 他者が抱く価値
私たちがこのブランドを直接的に操作することはできません。ただしブランドに対して他者が抱く価値を向上させる取り組みによって、ブランド価値をあげることができます。これがいわばブランディングというものです。
ブランディング
= ブランド価値向上の取り組み
デザインとは何か?
わたしたちの日常は多くの情報であふれています。その情報とは、誰かの手によってデザインされたものであり、たとえば家、服、電話、道、駅、建物などがありますが、これらは誰かが人が何かの問題を感じ、その問題の解決を意図してつくった造形物です。
そこでデザインとは、簡単に言い換えるとこうした情報を整理することをいいます。
デザイン = 情報整理
デザインはあまりにも情報の整理、処理の仕方に密接に関わることからこう言い切れると思います。
ではつぎに理解しておきたいのが、「情報整理とは何か?」ということですが、情報には核にあたる本質があり、そのまわりには本質でない情報が装飾のようにとりまいているというイメージを持ってみてください。
必要な情報と不要な情報。それいらないよねって情報と、それが聞きたかったという情報。抽象的に言い換えると、黒と白、静と動、ネガティブとポジティブといった対極をなす2つの情報です。デザインとはこのネガティブとポジティブを理解して、ある目的の元に情報を整理する行為なんです。
デザインという情報整理がいきとどいた情報は、客観性を帯び、ユーザー視点が入り、伝えたい情報の本質がダイレクトにユーザーに伝わる性質をおびます。

情報には、マス広告のようなユーザーに対しての向けられた一方通行のものと、ユーザー参加方のインタラクティブなものとに大別できます。
いずれにおいても情報は「コミュニケーション」のために作られたものであり、コミュニケーションにおいて大切なことは「意図を伝えること」です。相手は何をもとめて、何を考えているのか。相手視点にたち、相手の置かれた状況や心理を理解して、コミュニケーションに必要な情報を記憶しやすい形で整理することが、デザインの目的です。そしてこれが、デザインの本来の存在意義だと考えています。
ブランディング
= ブランド価値向上の取り組み
ブランディングデザイン
ツール事例
ブランディングデザインと言ってもツールは多岐にわたります。ここでは代表的なブランディングデザインの事例をご紹介します。
● ロゴ
● シンボルマーク
● コーポレートサイト
● 各種広告
● パンフレット
● パッケージ
● 空間内装
● ブランドムービー
● ブランドブック
● 郵送物(封筒・招待状)
● オンライン画像背景
● SNSアカウント
● 名刺
● 見積・請求・納品書
etc.
こうして見ていただく理解が深まると思いますが、いわばブランディングデザインとは企業とユーザーの接点に当たる視覚情報のすべてに関わってくる大切な取り組みなんです。ユーザーはこの視覚情報からブランドを好きか、嫌いかを感覚的に感じたり、ブランドの本質を読み取ったりしていきます。
2.
経営とブランディングデザインの関係性
ビジネスの成功になぜブランディングが必要か?
主には市場のグローバル化による競合が増えたことによる代替え商品・サービスの多さと、ユーザーからアテンションや時間をつかむエンタメが溢れすぎていることが原因と捉えています。
モノやコトは確実にとどきにくくなり、もはやユーザーが私たちのサービスを選ばないといけない理由はさしてないんです。それが前提です。
ブランドには代替品があるという前提をもつ
ではどうすれば求められるブランドになるのか。
そのための取り組みが、「ブランディング」なんです。
いまから100年前はインターネットもありませんし、海外製品もありません。日本の市場をみれば見渡す限りのブルーオーシャンだったのかもしれません。事業を起こせば需要がある。つくれば売れる、ヒットする。でも今はそうではない。
さらには、日本は今後、少子化という社会問題といよいよ対峙していきますが、確実視された消費者層の減少の中でビジネスを存続させていくには、ユーザーがみなさんのブランドを「買わないといけない理由」「愛される理由」をつくりつづけるしか継続経営は成り立ちません。これはわたしたち日本人がこれから対峙しなければいけないビジネスの背景です。
わたしたちは価格の多寡にかかわらず、価値を感じるものは愛着を感じます。この価値をつくれるかどうかが、ブランドのミッションであるべきです。
ブランドエクイティ(ブランド価値)を作れるか
これからのブランド経営は間違いなく「顧客との関係性」で差が生まれてきます。
あらゆる業態における商品・サービスの企画や開発は、顧客の抱える問題をどれだけ深掘りでき、洞察できるか、顧客の言語化できないニーズをどれだけ拾えるか。またそれを具体的な企画開発に落とし込める経営体制を整えられるかが、ブランド価値創造のファーストステップです。
ブランド価値創造のセカンドステップはブランディングだけでなく、マーケティングとの連動で、市場にいるユーザーと経営を俯瞰的にしてみく必要があります。この内容はトータルブランディングのページでくわしく説明します。 →トータルブランディングとは
ブランディングに
なぜブランディングデザインが必要か?
ブランディングデザインというと、聞き慣れない専門用語に見えるかもしれませんが、みなさんのブランドが発信するすべてには文字や絵や動画が伴います。それが複雑なパターンや組み合わせを描いてユーザーが目にします。ブランドが発信する多くの情報は視覚情報が伴いますが、これがブランディングデザインです。このことから、目の前にある多くの造形物はどこかのブランドのブランディングデザインとも言えるかもしれません。
ブランディングデザインは、本来は商品や広告を含まないで、CI VIと呼ばれるものがブランディングデザインと言われる見方があります。ですが、当社ではブランドが発信するものすべて、視覚情報が伴うものすべてがブランディングデザインと定義しています。理由としては、ユーザーは商品も広告もロゴなどのCIVIも切り分けてブランドを感じることはなく、ブランドの情報はそれがどんなものであっても、そのブランドが発信したブランド情報に変わりはないからです。
ユーザーとのタッチポイントには
必ずブランディングデザインがある
ブランディングデザインはブランドが発信したい情報と、ユーザーの掛橋です。ハブ的役割でブランドとユーザーをつなげる大切な視覚情報といえます。これがブランディングにはブランディングデザインが必要な理由です。

3.
ブランディングデザインの4つの役割は?
[Role 1]他ブランドと識別させること
かつてのブランドは家畜への焼印として、他の家畜との区別を目的として使われていました。しかし、現代のブランドにはさまざまな役割が加わってきましたが、この識別する機能に変化はありません。ブランディングデザインの最も基本的な役割は、他のブランドと差別化を図ることです。主な差別化のポイントとしては、以下が挙げられます。
・ブランドコンセプト
・ブランドカラー
・ロゴタイプ
・CI/VI
・商品パッケージ
・商品コンテンツ
etc.
- Case study A:
- ブランドA社は、20代向けのヘルスケアコンシャルの女性向けブランドコンセプトから、30代向けのコンセプトへと差別化を図りました。
- Case study B:
- ブランドA社は、ブランドカラーが競合他社とかぶっていたため、赤から青へ変更して差別化を図りました。
[Role 2]ブランドコンセプトを伝えること
ブランドコンセプトはしばしば抽象的な言葉で構成されますが、これらのコンセプトを形にするのはブランディングデザインの一つの核心的役割です。これは非常に難しいとされ、ブランディングデザインの中でも最も挑戦的な部分です。
ブランドコンセプトを具体化する際、ブランドのビジョン、歴史、商品の内容、顧客の興味の対象などを、色や形、視覚情報の組み合わせとして、ブランドの象徴として、ブランディングデザインで視覚化する必要があります。
ブランドの無形の特徴を、視覚化させること
[Role 3]ブランド情報を記憶させること
記憶しやすさには一定の法則があり、ブランド情報はこの法則に基づいて整形・発信される必要があります。以下の7つの要素は、記憶の形成と維持に影響を与えます。
- 1. リピート: 情報を繰り返し接触することで、その情報の記憶が強化されます。
- 2. 連想: 既存の知識や経験と新しい情報を関連付けることで、記憶の定着が容易になります。
- 3. 感情喚起: 感情的な経験や反応が伴う情報は、記憶に残りやすくなります。
- 4. 意味の理解: 情報の背景や意味を理解することで、深層的に記憶にとどめることができます。
- 5. ビジュアル: 人間は視覚的な情報を処理するのが得意であるため、視覚的な要素やイメージを使用すると記憶に残りやすくなります。
- 6. 組織化: 情報をカテゴリーやグループに分けることで、情報の構造を理解しやすくなり、記憶の助けとなります。
- 7. 自己関連: 自分自身や自分の経験と関連づけられる情報は、記憶に残りやすくなります。
- Case study A:
-
ブランディングデザインの中核となるロゴタイプやシンボルマークをつくる場合:
- ○ 「1.連想」でブランドの本質にあたる特徴とひもづけた造形や配色パターンをデザインで作り出します。
- ○ 「2.感情喚起」でブランディングターゲットのユーザーが感覚的に好む傾向の特徴を造形や配色パターンをデザインで作り出します。
- ○ 「3.意味の理解」でシンボルやロゴタイプが示す造形が何を表現しているのかを感覚的に容易に理解させます。
- Case study B:
-
ロゴタイプやシンボルマークをあらゆる営業ツールに展開する場合
- ○ 「4.組織化」で様々な種類にまたがるブランド発信情報に統一感を生みます。組織化された情報と、その組織化における一貫性のある法則が、情報伝達をよりシンプルにしてターゲットにとってはより容易に情報を記憶に止めやすくなります。とくブランド情報に「一貫性」が必要と言われるのがこのためです。
[Role 4]ポジティブな感情を喚起すること
ポジティブな感情とは、ユーザーがブランドから発信される情報や提供される商品・サービスに接触した際、心の中で「好き」とか「なんかいい感じ」という感情が生まれることを指します。上記で述べた7つの要素の中で、「3.感情喚起」は、単に情報を記憶させるだけではなく、そのブランドやサービスを好きになってもらうための鍵となる要点です。ただの記憶と感情の喚起は、根本的に異なることです。人々は、好きなものや興味を持ったものに関する情報を容易に記憶します。しかし、どれだけ繰り返し伝えられ、整形された情報であっても、その情報に興味を持たないユーザーにとっては、そのブランドや商品の情報は短期的に忘れ去れます。
ことから、ポジティブな感情の喚起は、ブランディングデザインがマーケティング活動や深いユーザー理解と緊密に連携することが必要です。特に、ブランドがユーザーにとって価値があり、自分の生活に密接に関わっていると認識させる「7.自己関連」、情報を定期的に再発信することでユーザーの理解を深める「1.リピート」、そして、その情報を視覚的にも理解しやすくするためのデザイン要素「5.ビジュアル」は、PRや宣伝活動において特に重要となります。
4.
悪いブランディングデザインは認知度が落ちる
全てのビジネスにとって認知は不可欠です。
人は知っているから買えるのであり、知らないものは買えません。認知はブランド体験のはじめの入り口であり、そこにブランディングデザインが存在します。ブランディングデザインと認知度は密接につながっています。
人が情報を認知を高める仕組みには、いつくか考えれますが、以下に示す4つのキーポイントをブランディングデザインは押さえておく必要があります。
認知の低いブランド情報は以下の点で何かが欠かけているはずです。
認知の高いブランディングデザインには以下の4つのポイントがバランスよく含まれています。
- 画一性:
- ブランド情報の一貫性を保ち、伝達効率を向上。
- 差別性:
- マーケット内での目立ち方を考慮し、他ブランドとの視覚的差別化を図る。
- 連想性:
- 顧客視点を取り入れ、感情誘発を起こすデザインを実現。
- 独自性:
- ブランドの本質となる個性を明確にし、独自のブランド体験を提供。
【画一性】
ブランディングデザインの一貫性が、
ブランド情報の伝達効率をあげる。
ブランド情報の伝達効率が上げるには、発信する情報をシンプルにすることです。ブランディングデザインでは様々なブランドツールにおいて同じ世界観と情報の法則に一貫性を持たせることにより、受け手が情報をより記憶しやすくなります。
具体的には、形や配色、パターンやレイアウトの法則を同じにして、様々な媒体上でも、同じブランドの情報として認知されるように構築していきます。

【差別性】
ブランディングデザインはマーケットの環境に応じて、
目立ち方を考える
ブランディングデザインは、マーケットにおける競合他社やトレンドの視点から、環境のでの目立ち方を考慮します。ここでのポイントは他とどこまで視覚的に差をつけられるかが大切です。個性の際立ち方は、環境に左右されます。私たちが発信するすべてのブランド情報の際立ち方は発信する環境において、他社情報との相対的な関係で目立ち方が決まります。つまり黒の中には黒を置くより、白を置く方が目立ちます。

【連想性】
顧客視点を入れて感情誘発を起こすデザインを
この連想性とは、顧客がブランディングデザインを見て、自然に興味の対象を連想し、ポジティブな感情喚起が起こることです。この連想性を高めるためには、顧客視点で自社のブランドの見られ方を客観的にとらえます。ここではマーケティングリサーチとその分析から、顧客ニーズを洞察します。この情報を元に立案されたブランドコンセプトをデザインに落とし込みます。ブランディングデザインにより感情誘発が起きる場合、ユーザーから好まれ、場合によっては商品・サービスが購買されます。
この連想性は深く顧客を理解することが求めらる一方で、抽象的に立案されたブランドコンセプトを具現化するデザイン力が求められます。

【独自性】
抽象的なブランドコンセプトを造形するデザイン力が問われる
それぞれのブランドには個性があり、その個性を表現を言葉を形にするのは簡単ではありません。加えて、やわらかい、美しい、高級感のある、といった抽象的なブランドコンセプトを形にする場合、それがどのようなユーザーが見るのかによっても、受け取られ方も様々です。
独自性において、ブランドの本質となる個性をしっかり表現することと、誰がそれを見るのかの深い理解がブランディングデザインの最終的なクオリティーに影響します。またクオリティーの高いブランディングデザインは良質な顧客体験につなげることができます。

以上の4つのポイントと合わせて、【展開性】【継続性】の2つを加えたPOROROCA独自のブランディングデザイン評価フレームワークもご参照ください。 → ブランディングデザインクオリティー
5.
ブランディングデザインが起こす現場の問題とその向き合い方
ビジネスは顧客の感じる問題を解決することで利益が生まれます。
顧客が抱える問題にたいして、経営サイドが取り組む必要のあるものと、顧客と経営の間に入って全体をディレクションするトータルブランディング思考を行う側の3点の視点から、それぞれの事例での問題解決の仕方をご紹介します。
問題1: ブランドの特徴がわからない
- 顧客視点
- ブランド商品に特徴が感じられない。
- 経営視点
- 再開発のための社内許可を得て、体制を整えること。ブランドコンセプトからの見直し、ターゲットの顧客と競合商品のリサーチを行い、市場のポジショニングの再確認と、ブランドのコアバリューやUSP(ユニーク・セリング・ポイント)の明確化。その上でブランディングデザインを発注。
- デザイン視点
- マーケットリサーチを実施し、ブランドの強みや独自性を強調するデザイン・メッセージ戦略を策定。競合との差別化を明確に打ち出し、経営層と意見交換。ブランディングデザインで顧客が必要とする特徴とブランドがもつ独自性の2つ視点からデザインを制作。
問題2: ブランドイメージの一貫性不足
- 顧客視点
- 異なるメディアや場面でのブランドの表現やメッセージがバラバラで、何を基調としたブランドなのか理解しづらい。
- 経営視点
- ブランドガイドラインの策定または見直しを行い、問題の原因を特定する。社内外でのブランドの一貫性を保つ取り組みを強化。企業規模が大きくなる場合は、ブランディングデザインツールの運用陣営を1箇所で管理。
- デザイン視点
- 各メディアやコンタクトポイントでのブランドの表現をチェックし、ガイドラインに基づいた修正提案を行う。経営層と協力して、一貫性のあるブランディングデザインの制作と展開をサポート。
問題3: ブランドのデジタルアセットが乏しい
- 顧客視点
- オンラインでのブランド体験が貧弱。公式サイトやSNSが存在しない、または情報が不足している。
- 経営視点
- デジタルマーケティング戦略の策定。新しいデジタルアセットの開発や既存のデジタルアセットの最適化を進める。必要に応じて担当部署を創設。
- デザイン視点
- オンラインでのブランドのプレゼンス向上のための提案を策定。ウェブデザインやSNSコンテンツなどのデジタルメディア上のブランドコンセプトを提案し、ブランディングデザインを制作。
問題4: ブランドイメージが古くなっている
- 顧客視点
- 現代のトレンドや価値観に合わせたブランドイメージがほしい。
- 経営視点
- ブランドのリフレッシュや再定義が必要。新しい市場動向や顧客のニーズに応じた戦略の見直しを行う。
- デザイン視点
- 現代のマーケットのトレンドを研究。これを基に、ブランドのアイデンティティを更新し、現代のユーザーに響くブランディングデザインを提案。必要であればサンプルテストを行い、サンプルデザインへのフィードバックをモニター調査から得る。このことでよりユーザーに響きやすいブランディングデザインを提案。
6.
ブランディングデザインでブランド価値をあげる
ブランド価値を高める要因とは?
POROROCAの定義するブランド価値を向上させる要素は以下の通りです。
ブランド価値向上の要素 =
商品・サービスの質 + コミュニケーション効果 + PR活動
商品やサービスの質が最も重要であり、これが基本となります。これを前提に、コミュニケーションやPR施策のブランディングデザインの重要性について説明します。
実際、ブランディングデザインについての理解や重視している経営層は必ずしも多くありません。したがって、ブランド価値向上の要因から詳しく考察します。以下にいくつかの要因を挙げます。
- [要因A]
- 優れたプロダクト・サービス
- [要因B]
- 広告のキャストやブランドアンバサダーの影響
- [要因C]
- 競合商品の弱体化
- [要因D]
- マーケティングによる認知度の拡大
- [要因E]
- ブランド体験やSNSでのユーザー体験の向上
- [要因F]
- 優れたブランディングデザイン
これらの要因の一部、あるいは複数の要因が組み合わさってブランド価値が高まることが考えられます。これらのすべての要因の中で、ブランディングデザインはブランドの「顔」としての機能します。つまりブランド価値向上には必ずブランディングデザインの存在があるということです。
ブランディングデザインは、人間の顔に例えられるものです。顔は個性やアイデンティティを示す部分であり、ブランドもそのデザインを通じてその個性を示します。人は顔のケアにコストをかけるように、ブランドもその「顔」のケアが必要です。ブランドの「顔」のケアを怠ると、ブランド情報の伝達が難しくなったり、競合に取って代わられたり、ロイヤルな顧客が離れるリスクが高まります。
ブランド戦略とブランディングデザイン
ブランディングデザインはブランド戦略の中心的な視覚情報としての役割を果たすとともに、SNS活用やブランド広告にも影響を及ぼします。以下は、商品を作ってから売れて、ファンがロイヤル化するまでのプロセスを示しています。
0 顧客ニーズを理解する
↓
1 ブランドの価値を理解する
↓
2 ブランドの価値を策定する
↓
3 市場、競合、トレンドを理解する
↓
4 商品・サービスを開発する
↓
5 ブランドの価値を表現する
↓
6 ブランドコミュニケーション
↓
7 ブランドのファンをつくる
↓
8 ファンをロイヤル化させる
↓
9 ロイヤル顧客をモニタリングする
このプロセスは繰り返され、ブランド価値を向上させる方向に進められます。ブランディングデザインは主に3から6のプロセスで深く関与します。最初の3つのステップは主にブランド経営の取り組みであり、CMOやブランドのクリエイティブディレクター、外部のブランドコンサルタントがブランド経営のサポーターとして関与する場面も併走するケースもあります。
7.
ブランディングデザイン成功事例紹介×6社
ブランディングデザインの成功事例を、POROROCA開発のブランディングデザインクオリティ(BDQ)の6つ評価指標から、それぞれの視点で紹介していきます。
独自性(ブランド本質の表現度)
画一性(VI展開での統一感)
展開性(VI展開の容易度)
差別性(空間軸での相違性:競合他社)
継続性(時間軸での相違性:トレンド)
連想性(感情喚起力)
[独自性]の観点からの成功事例
- 企業名
- GO株式会社
- ポイント
- GO株式会社は、株式会社Mobility Technologiesからの商号変更にともないVIを変更しました。タクシーアプリをはじめとするモビリティ産業領域のスタートアップ企業です。VIの特徴は企業の「移動」に対する独自性をロゴタイプだけでなく、称号から変えてしまっている点、またそのコンセプトをPR施策のキャッチコピーや広告デザインにまで落とし込んでいる点がブランディングをより効果的に。ユーザー向けに、社名やロゴをみるだけでサービスの便益を想像させられる強さがある。GOの「O」の部分がまた、主観だが地球のように見えてきたりもする。ここにブランドビジョンとして、サービスの拡大、グローバル化を目指していると感覚的に感じさせる。
[画一性]の観点からの成功事例
- 企業名
- 一橋ビジネススクール
- ポイント
- 一橋大学の主導の社会人スクールである、一橋ビジネススクール(HUB)のブランディングデザインです。歴史と伝統あるビジネス教育の殿堂として大学の伝統あるシンボルマークを使い、伝統を感じさせるロゴタイプを創設。これをさまざまな紙やデジタル媒体に同じ規則性で展開させることによるイメージの統一を図ることで、ブランド情報の伝達効率を底上げしている。VIはロゴを様々な媒体で展開させやすくするために、シグニチャーというシンボルとロゴの組み合わせヴァリエーションをつくる。ポイントとしてはシグニチャーのパターンは媒体を跨いでも1つが望ましく、場合によっては2つくらいまでにおさえて極力、サイズ感や媒体上での配置の法則性を持たせることがより統一感を生み、記憶にとどめやすくするのが狙いだ。
[展開性]の観点からの成功事例
- 企業名
- ユニクロ
- ポイント
- 展開性として、正方形型のロゴはとくかく強い。VIはさまざまなメディアで展開される性質上、媒体のスペースの制約を受ける傾向にある。ロゴをレイアウトをするデザイナーのスキルよりも、スペースの制約がその視認性を決めることに。具体的には、縦長や横長のロゴやシンボルマークは、レイアウトのスペースに応じて視認性が落ちるサイズでの展開になりがちに。そこを解決させる比率がこの正方形型である。またこの正方形という比率を利用して斬新なVIや看板に展開している発想はリスペクトに値する。
英文と和文のロゴを並列させるめずらしいパターン。ただグローバル企業なので海外店舗にてこのVIは、「日本発信」を感じさせるカタカナで表現しているのは巧み。
[差別性]の観点からの成功事例
- 企業名
- Loft
- ポイント
- 公共の場において店舗の看板の視認性はよいに越したことはない。銀行でも携帯キャリアでも、だいたい大手の競合はブランドカラーの被りを回避する。これは百貨店しかりだ。そこでこのロフトのロゴカラーは黄色である一方で、市場の競合とみなされる東急ハンズは緑、無印はえんじ、PLAZAは青だ。この主な目的は視認性というよりは「識別」させることにある。たとえば買い物でもらったロゴの入った袋を街で持ち歩くだけで、それ自体が広告にある。ロフトが青や緑のブランドカラーを採用しない点はそこにあると考えることもできる。
また一方で、ロフトのロゴの優れいる点は強い視認性だ。他社のものと並べてみるとよくわかると思うが、目立ち方が違う。これは例えばインフラ上の注意喚起の標識などで採用されているものと同じ組み合わせだ。実際のところ、黒と黄色は、白と黒よりも色コントラストで劣るが、視認性はより優れている。
ハンズ webサイト「ハンズのロゴが新しくなりました! – ヒントマガジン|【ハンズネットストア】」
プラザ webサイト「PLAZA | プラザ | ライフスタイルストア」
無印良品 webサイト「無印良品」
(2023.8.14)
[継続性]の観点からの成功事例
- 企業名
- Starbucks
- ポイント
- VIにおける継続性というのは、いわばロゴのコンセプトが過去から未来にむかって引き継がれやすいかどうかの指標となる。そしてこれは、シンプルな幾何学パターンよりは、比較的キャラクターや何か特有のモチーフのようなものを起用したシンボルマークだと表現がしやすい。たとえばアップル、コカコーラ、ミシュラン、グリコ、アルマーニしかり、さらにはスターバックスだ。
スターバックスは創業から現在まで4回のモチーフデザインの変更を行ってきている。ただ、ディティールの造形や配色のマイナーチェンジにとどめ、モチーフ自体はギリシャ神話の人魚「サイレン」を継続させてきている点は注目に値する。ブランドがVIをリニューアルする際に気をつけたいのは、ブランドカラーやブランドのエッセンスが入ったロゴを変更するのは、ユーザー視点から慎重に行わないと識別性が落ち、業績に影響することになりかねないからだ。その点モチーフが同じだと「同じブランド」だと認識されやすいのは言うまでもない。
[連想性]の観点からの成功事例
- 企業名
- SUS
- ポイント
- メタバース事業やIT人材派遣を行うSUSのシンボルマーク。マーク自体は他社制作となるが、POROROCAはSUSのVI展開のプロジェクトをディレクションした。
このシンボルマークを見るとき、いつも仮想空間に浮かぶデジタルキューブを連想してしまう。これはマークの制作者が意図しているかにかかわらず、ブランド事業の特徴を「連想させる」ことに成功している。抽象的なブランドコンセプトをシンプルな図形に落とし込むのは簡単ではない。ここではヘキサゴンに落とし込みながら、社名を入れてしまう匠さもある。また3D的な表現は結果として「空間」を感じさせるものになっている。
8.
ブランド顧問サービス・参考文献の紹介
◎ブランディング顧問の委託契約について
経営を、ブランディングとマーケティングの側面からサポートする外部顧問としてご依頼いただけます。過去30社以上との顧問契約で培ったブランド経営のノウハウやアイデアをご提供します。契約期間はフレキシブルに案件の内容に応じてご提案させていただきます。

◎参考サイト
Behance
https://www.behance.net/
Adobeが無料で提供するポートフォリオサイトです。世界のクリエイターがしのぎをけずってブラッシュアップしたブランディングデザインのプレゼンテーションが見れます。「branding」「brand identity」「visual identity」などのキーワードで検索してみてください。
◎参考文献
ブランディングデザインの理解には、その上流のブランディングの部分と、マーケティングの理解を深めて、ブランド経営の全体像を俯瞰できる視野が求められます。その上で以下の文献はデザインのノウハウに留まらない内容になります。
『ブランド論 -無形の差別化を作る20の基本原則』
デービッド・アーカー 著
ダイヤモンド社
ブランドといえばこの人。デービッド・アーカーが20年の研究成果をコンパクトに集約した一冊です。ブランディングデザインというよりはブランドコンセプト立案やアイデンティティの作成する前に参考にすべき知識がたくさん紹介されています。
『たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング』
西口 一希 著
翔泳社
顧客と向き合うことの大切さをこの書籍から学びました。ただの市場リサーチを説明した本ではありません。「N1分析」という一人の顧客を起点に商品・サービスの新たな可能性を見つけるコンセプトを紹介しています。加えて「9セグマップ」と言う顧客を9つのセグメントに分類して、それぞれの顧客分類から得る洞察の仕方などを学べます。もし顧客が「リピーターと一見さん」くらいに考えている場合は、この9セグマップは多くの発見をもたらしてくれるはずです。
『確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力』
森岡 毅 (著)、今西 聖貴 (著)
角川書店
USJをハリーポッターでV字回復に貢献した森岡氏と、元P&Gの同僚の今西氏との共著です。
ブランディングデザインは認知を掴むために必要なものですがこの認知の問題をもっと数学的に捉えて解説されています。また認知させるだけでなく売るための方法として、市場規模のM数と商品の配下率の説明があり、販売戦略を考えるにあたり参考になります。
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